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「クリエイティブツアーvol.6」スペシャル企画!エフ・ディ石川×イノウエサトル×木藤亮太対談

クリエイティブツアーvol.6

7月7日開催のクリエイティブツアーvol.6「風景をつくるシゴト〜建築家・イノウエサトルが見たい風景〜」。
開催に至るまでには、実はとても長い経緯があるのです。

2013年早々、“朝のささやかなひととき”を使った勉強グループが、桜坂と薬院の真ん中のマクドナルドにて誕生しました。
メンバーはエフ・ディ石川、建築家イノウエサトル、ランドスケープ・アーキテクト木藤亮太。
「それぞれの情報や人脈を持ち寄って、脳を、ハートを、身体を、そしてビジネスを拡張しよう」
ということをテーマに、早朝会合が始まりました。

グループ名は「(仮称)ヴァナキュラー研究会」。
ヴァナキュラーとは、和訳すると「風土的」「土着的」。
脱西欧中心主義という視座を提示した言葉として、実は建築分野から生まれた言葉なのだとか。
ユニバーサルデザインやモダニズムを否定し、その土地固有の建築を提唱する言葉です。

地域、地方という意味でよく使われる「ローカル」。
会としてまずは、中央ありき、東京ありきで使われる「ローカル」という言葉に疑問を呈し、
「自分が世界の中心たり得る」という意志を持って、ヴァナキュラーを使う方向性で決定しました。

エフ・ディ石川の行なっているリトルプレス制作やクリエイティブツアーは、ヴァナキュラー・メディアといえる。
イノウエサトルは、まさにヴァナキュラーな建築のあり方を模索し、苦悩している最中。
そして木藤亮太は、いわばヴァナキュラーコンサルティングに日々奔走している。

この3人がそれぞれの得意分野で知恵を出し合い、ヴァナキュラーを探求し、
それを更にビジネスへと転換しようと模索した結果、もしくは過程として、このツアーが誕生したと言えるでしょう。

ツアー開催を前に、3人が語る「デザインの多様性」「クリエイティブツアー」について、
今回のツアーの主軸である「土地が持つ力、価値を顕在化させること」「イノウエサトルの建築論」など、
長時間に及んだ対談を少しずつ掲載していきます。

クリエイティブツアーvol.6

闘える素材は、身近なところにある

石川
最初の経緯を話すと、僕は福岡のデザイン会社で福岡にあることでクリエイティブをしようっていうのがまず根底にあって。
福岡の情報をまとめたフリーペーパー※もそうだし、
(※F_d(2002年〜2004年)littlepress(2009年〜2013年1月 現在リニューアル中))、
福岡でただ単に広告するって言うよりは、
福岡にしかないものを使って自分のクリエイティブを出していきたいなって思ったんです。

イノウエ
石川さんはご出身はどちらなんですか?

石川
僕は田川です。筑豊で。だから超ローカルな人間です。

イノウエ
もうずっと福岡で?

石川
ずっと福岡ですね。一瞬その、30代前半の時に東京に事務所を出したことはあったんですけど。
福岡ありきっていう感じで出していたので、基本的にはずっと福岡ですね。

イノウエ
福岡にこだわるのは、やっぱり東京に出たことで一層強化された感じなんですか?
ここで根を下ろしてやっていこうっていうのは。

石川
東京に出たことで福岡を意識するって言うよりも、福岡にいて…
東京という街に、東京の人に勝つっていう、あんまりそういう意識ではないんですよ。
福岡にいて何かしようっていうときに、福岡にあるものを素材にするのが一番無理がないというか。

東京の人が福岡や九州のものを素材に何かしようとしたら、時間がかかるし手間もかかるじゃないですか。
でも僕らは、福岡にいるから簡単にチョイスすることができる。
そんな“地の利”みたいなのものが、自分の表現したいテーマに合っていれば、それはすごく自然なことだな、と。
わざわざ僕らが東京に行って取材するとか、東京のクリエイターと何かをするというよりは、ずっとね。

それよりも、福岡にある素材で何かを一緒にするとか、福岡で作っているものを他に伝えるとか、
近くにあるものの良さみたいな所に目を向けて、そこで自分たちの仕事をしたいなっていうのが根底にあると思います。
だから「ちくごの手仕事」もそうだし、福岡にあるコンテンツを出版のネタにしてるわけで。
単純に全国的に売れるネタをチョイスするというよりは、
福岡の、九州のネタで全国的に売れるものを僕はチョイスしていきたいですね。

木藤
それはやっぱり、すごく自然なことですよね。

石川
そうですね。無理して闘わないというか。
“売れるから”っていうだけの理由で、例えばハワイなんかまで行って作家のインタビューを本にして売るよりも、
身近なコンテンツを身近な人が扱うのが、一番自然かなと思って。
福岡のものにしても、東京の出版社がやるよりも、福岡の出版社がやるべきことじゃないかなと思っていて。
福岡のクリエイターが地元の人と触れ合って、結びついてやっていく方が無理がないし自然だと思うんですよね。

IMG_1167

木藤
ヴァナキュラーという言葉が内包する土着性とか地域性は、結局は作ってできるものとか、仕掛けてできるものであって。
やっぱり石川さんなら石川さんの身から滲み出るものがたくさんあって、それに基づいて出てくるデザインとかね、
写真の一枚一枚のカットとかもそうだけど、やっぱりそれが近道というか、一番効率的でストレートだと思う。
デザインする立場からすると、すごく大事なことなんだろうなって。

石川
こういうとあれですけど、お金がなくてもできる闘い方なんですよね(笑)
でも結局、東京に対して闘えるものをあえて考えるなら、案外こっち(土着的なもの)なのかなっていう気はしますけどね。
よく言うけど、世界に出て日本の良さに気付くみたいなのってあるじゃないですか。
それって要は、東京に行って「ゴマサバ美味しいですよね!」って言われるのと同じ感覚で。
やっぱりこう、闘える素材ってありますよね、自分たちのまわりに。それを重要視しないだけで。

イノウエ
幸せかもしれない。闘える道具に満ちてる場所かもしれないですね、福岡って。
それはどこにでもあるものなんだろうか…
でも、やっぱり限界値もあると思いますけどね。
例えば石川さんが…田川を拠点に出来るかっていったら、それは結構しんどいですか?

石川
うーん…それは、田川に限定するとしんどいかもしれないけど、筑豊という範囲で考えるとまた違いますよね。
その、例えば田川のものだけを使って何かするっていうのはしんどいかもしれないけど、
田川の気質だからこそできるものがあるんじゃないか、そういうものに価値があるんじゃないか、というのは思います。
それを掬いとっていくのがデザインだと思うし、
田川の顕在化されていない魅力をデザインによって見せていくことはできると思います。
僕自身も田川気質っていうものが根底にあって、
「なんとかしてやろう精神」みたいな、そういう強さでここまでやってこれたのもあると思うし。

井上
ああ、なるほどね。田川気質ってありそうな気がする…

次回へ続きます!


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